2012年02月28日

咬む犬の対処法

咬む犬に対しては、逆説的になってしまいますが、『咬まれないこと』が最も重要です。
犬は、噛むことで自分の要求が通ったり、恐怖から解放されることを覚えると、とても攻撃的になります。
逆に、咬む犬でも咬まない期間を長くとってあげる事で、咬むまでの閾値が上がることが多いです。

具体的には、咬む程度によって扱いは変わってきます。

まずは近づくもの何に対しても攻撃してくる犬の場合

柵の外やリードで必ず届かない場所に座ります。
そこから大好物をその子のほうに置いてあげます。
この時に目を合わせたり、その子の方を向かないほうがいいです。
だんだんと好物を置いてあげる場所を自分に近づけます。
最終的には手から与えられるように続けます。
まだこの時点では触ったり、顔を覗き込んだりはしません。
咬みそうになったら、すぐに中止して、また一から始めます。
早い子でも1週間、なれない子だと1ヶ月以上かかると思います。
また、いつまで頑張ってもダメという場合もないわけではありません。

次に、知らない人に対して攻撃する犬の場合

知らない人に近付かせないことが重要です。
どうしても必要な場合は、制御の効く方が必ず一緒にいるようにします。
制御できるということは、犬はその方を信頼していますので、自分たちを守るために攻撃することが減ります。
その状況で、頭や身体をさわるのでなく、まずごほうびを下からあげてもらいます。
この時、咬みそうな様子があったら、口の届かないところに置いてあげてください。
先程と同様に犬の顔をはじめは見ないほうがいいです。
そして、だんだんと近付けて、最終的には手から食べさせます。
手から食べれるようになってから、食べさせながら嫌がらないところから触っていきます。
これも無理をせずに、時間をかけておこなってください。
慣れてきたら、不特定多数の人に同じようにやってもらいます。

すべてのしつけに言えることですが、我慢できなくなる寸前の所でやめてあげて、必ずご褒美をあげて終わるようにするといいと思います。

くれぐれも咬まれないように行なってください。
咬みそうになったら、ふりだしに戻りましょう。

次回は、特定のことをすると咬む場合などについてお話しします。
posted by sora-vet at 19:37| Comment(0) | しつけ

2012年02月21日

犬のしつけについて

子犬の診療をしていると、しつけに関する質問をよくお受けします。

しつけに関しては、最近は様々な方法や理論がありますが、全てのワンちゃんや飼い主さんに合う方法は基本的にはないと思います。
逆に言えば、様々な方法を順に試していって、うまく行ったものを継続することになります。

しつけをしていく上で重要なことは、

1.いくつかのやり方を併用しない
   しつけに関する本や情報はひとつに決めましょう。

2.家族全員で方針や号令などを統一する。
   相手によって、言葉や態度が変わってしまうと動物は混乱してしまいます。

3.最低でも2週間は必ず継続する。
   2週間頑張れば、多くの場合改善傾向が出てきます。

この3つを必ず守っていただくことが成功への近道です。

子犬をご自宅に迎えた時、はじめの1週間はしつけは考えずに環境に慣れてもらいましょう。
その後、1ヶ月の間は、ご家族のことを大好きになってもらう期間です。
この時期も無理なしつけや体罰はせず、子犬に名前を覚えさせてあげるといいと思います。
具体的には、ワンちゃんがこちらに興味が有るときに名前を呼んで、ご褒美をあげるようにしてください。
興味のないときに、名前を連呼するのは逆効果です。(自分の名前や号令が、ただの雑音になってしまいます。)
これは、今後あらゆるしつけをしていく上で最も重要なことです。
慣れてくると興味のないときに名前を呼ぶだけで、ご褒美なしでもすぐにこっちに来るようになると思います。
これがきちんと出来るようになれば、すべてのしつけの50%は終わったようなものです。
逆に、これができないと番犬の飼い方以外は難しいかもしれません。
子犬でなく成犬でも、しつけを改めて始めようと思ったら、攻撃的な子でなければここからはじめましょう。

次回は噛む犬に対する対処法をお話しします。
posted by sora-vet at 11:30| Comment(0) | しつけ

2012年02月07日

セカンドオピニオンを考えるタイミング

病気の診療をする際、様々な症状や検査所見から、多くの場合は確定診断は出来ずに仮診断に基づいて治療を行います。
もちろん確定診断が全ての病気で出来ればより良いですが、診断を行うことが病気自体より生体に対する侵襲が大きかったり、逆に確定診断の基準がない病気も多く存在します。(例えば軽い胃腸障害の時に内視鏡検査を行うことや、アトピー性皮膚炎は診断の前にかならず他の皮膚炎を除外するための検査、治療が必要です。)

そういった仮診断に基づいて治療を先行する場合、必ず3日程度で効果判定をしていきます。
治療の方向性があっていれば、通常の病気は完全に治らないまでも改善傾向が認められます。
3日経っても改善しない場合、
・仮診断が間違っている。
・もともと治るまでに3日以上かかる病気である。
・個体に、治療に反応しにくい別の要因がある。
のいずれかが考えられます。

そこで何らかの答えを出して、追加検査や治療の変更、診断の再検討を行なっていきます。

この前に患者さんの判断で転院されて来院されるケースがありますが、ここまではまだ診断、治療の過程で答えが出なくても仕方ない所があります。
『後医は名医』という言葉がありますが、そこで転院されてきて、それまでの経過がわかる場合には、病気の鑑別や薬の反応がわかっているので容易に診断がついてしまい、前の病院に申し訳ない気分になります。
また、経過がわからないときには検査や治療がかぶってしまい、飼い主さんには余計な経済的負担がかかってしまいます。

逆に、治療に対しての反応が悪いのに治療方針の転換や十分な説明がなされないときには、セカンドオピニオンを求めてみてもいいかもしれません。
posted by sora-vet at 09:28| Comment(2) | 日記