2011年11月23日

動臨研に行って来ました。

先週末の土日、お休みを頂いて大阪まで動物臨床医学会年次大会に参加してきました。
動臨研に参加するのは2年ぶりです。

この学会は、セミナーもありますが症例検討会が多いという特徴があります。
今年の学会で思ったのは、あまりに発表の質に差が大きいというものでした。
これは、高度獣医療をしているかどうかではなく、一つ一つの検査の質、診断、治療の考え方に対してです。
高度な医療機器が普及して、CTやMRIといった診断ツールは、発表の場では珍しくなくなっています。
その一方で、非常にポジションの適当なレントゲンフィルムが非常に多く見られました。
近年はデジタルレントゲンの普及で、気軽にレントゲンを取る獣医師が増えましたが、レントゲンの専門の先生はやはり生のフィルムのほうが読影の範囲が広いと口をそろえて行っています。
デジタルのレントゲンは生フィルムで正確な評価ができる獣医師でないと、病変と作り出したり、消したりが簡単にできてしまいます。(誤診につながります)
また、レントゲンは正確なポジショニングで綺麗に取らないと容易に病変の見落としを起こします。
そのようなレントゲンで評価した基で、CTなどの高額な検査をしている例が多々見受けられました。

また、診断治療についても、獣医師が何人もいるような病院でありながら、きちんと標準化されている確定診断手順を踏まずに、暫定的な診断で、副作用の強いかつ効くという報告もないような抗癌剤を使用していたりします。
これは、おそらく獣医学的な好奇心が先走ってしまった結果だと思われますが、高度で侵襲的な獣医療をすすめるのであれば、より深く探求して十分な裏付けをとってから行うべきでしょう。

一方で、一般的な開業獣医師ではほぼお手上げな状況の子でも、諦めることなく積極的に治療して、その後年単位での生存、QOLの改善を得ている発表もありました。
ただし結果論であって、いつでも同じ治療が最善ということはありません。
しかし、こうした症例報告などの積み重ねが、今日の診断治療の基礎になっていることは確かで、学会で報告をして下さる獣医師のみならず、そうした積極的治療を選択された飼い主様にもほんとうに頭が下がります。
そのような方々の上で、より良い治療の提示ができることに感謝いたします。
posted by sora-vet at 11:51| Comment(0) | 日記
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