病気の診療をする際、様々な症状や検査所見から、多くの場合は確定診断は出来ずに仮診断に基づいて治療を行います。
もちろん確定診断が全ての病気で出来ればより良いですが、診断を行うことが病気自体より生体に対する侵襲が大きかったり、逆に確定診断の基準がない病気も多く存在します。(例えば軽い胃腸障害の時に内視鏡検査を行うことや、アトピー性皮膚炎は診断の前にかならず他の皮膚炎を除外するための検査、治療が必要です。)
そういった仮診断に基づいて治療を先行する場合、必ず3日程度で効果判定をしていきます。
治療の方向性があっていれば、通常の病気は完全に治らないまでも改善傾向が認められます。
3日経っても改善しない場合、
・仮診断が間違っている。
・もともと治るまでに3日以上かかる病気である。
・個体に、治療に反応しにくい別の要因がある。
のいずれかが考えられます。
そこで何らかの答えを出して、追加検査や治療の変更、診断の再検討を行なっていきます。
この前に患者さんの判断で転院されて来院されるケースがありますが、ここまではまだ診断、治療の過程で答えが出なくても仕方ない所があります。
『後医は名医』という言葉がありますが、そこで転院されてきて、それまでの経過がわかる場合には、病気の鑑別や薬の反応がわかっているので容易に診断がついてしまい、前の病院に申し訳ない気分になります。
また、経過がわからないときには検査や治療がかぶってしまい、飼い主さんには余計な経済的負担がかかってしまいます。
逆に、治療に対しての反応が悪いのに治療方針の転換や十分な説明がなされないときには、セカンドオピニオンを求めてみてもいいかもしれません。
2012年02月07日
セカンドオピニオンを考えるタイミング
posted by sora-vet at 09:28| Comment(347)
| 日記
2012年01月14日
元気、食欲が無い
動物病院に来院される主訴で、最も困ってしまうのが、『昨日から元気、食欲が無いのですが…。』といわれることです。
これは、ありとあらゆる病気から起こる症状だからです。
この場合、まず年齢、性別、飼育環境などから、いくつかの病気を想像します。
次に問診を行なって、それぞれの病気に特徴的な症状が出ていないか、一つ一つ鑑別していきます。
よりポイントとなるのは、
いつから、どの程度調子がわるいのか、
だんだん悪くなっているのか、
その前に、いつもと変わったことをしなかったか、
嘔吐や咳などの症状はあるか、
飲水量が増加していないか、
排便、排尿はあるか、
などです。
次に、一度頭の中から疑われる病気を忘れて、一般身体検査をしていきます。
当院では、できるだけ見落としの無いように、頭から順に、
口腔内の状態、粘膜の色(貧血や低血圧、チアノーゼなど)、
眼の状態(瞳孔のサイズや眼振、結膜の色(黄疸や結膜炎)や眼底の出血)、
頸部のリンパ節や腫瘤、咳の誘発、呼吸の状態、
体幹部の腫瘤や出血斑の有無、
四肢の疼痛や腫れ、関節の状態、
10kg以下の子であれば(10kgを超える緊張した子では困難なことが多いです)、お腹の中の臓器の触診(肝臓、胃、小腸、脾臓、腎臓、直腸、リンパ節、膀胱)、
肛門周囲の状態、
全身の体表のリンパ節の状態、
心音、肺音、気管の聴診、
検温、検便
などを行なって、異常所見がないか確認していきます。
異常が見られた場合には、それらに対して検査、治療をしていきます。
困ってしまうのは、特に異常がない場合です。
その際は、各種スクリーニング検査を行なっていくか、経過を観察していくかを動物の状態と合わせてオーナー様と相談することになります。
その場合も、特に検査を必要ないと考えているわけではありませんので、ご心配でしたらお気軽に検査をご依頼ください。
これは、ありとあらゆる病気から起こる症状だからです。
この場合、まず年齢、性別、飼育環境などから、いくつかの病気を想像します。
次に問診を行なって、それぞれの病気に特徴的な症状が出ていないか、一つ一つ鑑別していきます。
よりポイントとなるのは、
いつから、どの程度調子がわるいのか、
だんだん悪くなっているのか、
その前に、いつもと変わったことをしなかったか、
嘔吐や咳などの症状はあるか、
飲水量が増加していないか、
排便、排尿はあるか、
などです。
次に、一度頭の中から疑われる病気を忘れて、一般身体検査をしていきます。
当院では、できるだけ見落としの無いように、頭から順に、
口腔内の状態、粘膜の色(貧血や低血圧、チアノーゼなど)、
眼の状態(瞳孔のサイズや眼振、結膜の色(黄疸や結膜炎)や眼底の出血)、
頸部のリンパ節や腫瘤、咳の誘発、呼吸の状態、
体幹部の腫瘤や出血斑の有無、
四肢の疼痛や腫れ、関節の状態、
10kg以下の子であれば(10kgを超える緊張した子では困難なことが多いです)、お腹の中の臓器の触診(肝臓、胃、小腸、脾臓、腎臓、直腸、リンパ節、膀胱)、
肛門周囲の状態、
全身の体表のリンパ節の状態、
心音、肺音、気管の聴診、
検温、検便
などを行なって、異常所見がないか確認していきます。
異常が見られた場合には、それらに対して検査、治療をしていきます。
困ってしまうのは、特に異常がない場合です。
その際は、各種スクリーニング検査を行なっていくか、経過を観察していくかを動物の状態と合わせてオーナー様と相談することになります。
その場合も、特に検査を必要ないと考えているわけではありませんので、ご心配でしたらお気軽に検査をご依頼ください。
posted by sora-vet at 09:15| Comment(0)
| 日記
2012年01月04日
あけましておめでとうございます
遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。
今年も、昨年以上により良い獣医療が提供できるよう努力いたしますので、よろしくお願いします。
また、ブログの方も、少しでも有用な情報を提供できるよう続けていきますので、よろしくお願いします。
今年も、昨年以上により良い獣医療が提供できるよう努力いたしますので、よろしくお願いします。
また、ブログの方も、少しでも有用な情報を提供できるよう続けていきますので、よろしくお願いします。
posted by sora-vet at 18:08| Comment(0)
| 日記